CHILDREN IN THE WAR 体育の時間、無邪気に女子高生がサッカーやってるのを見ながら(レッツサボタージュ☆) この風景を切り取って、その上にこの曲の一節を載せたらすごく痛いんじゃないかって想った。 青い空の下で、恵まれた社会で育ってきた子ども達。 こうやって授業でサッカーが出来る子ども達。 同じ大地をずーっといけば、 初めて人を撃って眠れぬ夜を過ごした子だっているはず。 なにが、こんなにちがうんだろう。 なんで、こんなにちがうんだろう。 同じ命なのに。 同じ人間なのに。 そんなことを想いながら、ハイコミの「Children in the war」を鑑賞。 この曲は、埼アリでは聞けなかった。確か代々木からセットリストに組み込まれた曲。 アメリカの911、同時多発テロに対する報復戦争が始まった後。 タクローさんが新聞に意見広告を出して、NO WARというサイトを立ち上げて皆からの意見を募った。 そういう場面が、ハイコミのDVDには収められていた。 ハイコミツアーが終わってからGLAYに目覚める私は、その時間を一緒に生きてはいなかった。 後から、色んなものでその頃のGLAYとファンの状態、ライブの状態を知った。 歌詞、もそうだけれども。 この曲は歌詞以上に、メロディーが言葉を語っている、って感じる。 高い音で繰り返されるフレーズは、きっと子ども達。 それを突き刺すような鋭いギターが、爆弾。 遠くに見える赤い照明が、朝日に見えた。 でも、爆弾にも見えた。 砂漠に咲いた名前のない花がこう呟いた 灰色の瞳で”平和って何?平和って何?”ってね FLY HIGH FLY HIGH 光景が、思い浮かぶ。 『砂漠』はきっと、元々は砂漠じゃなかったところ。 家があって人が住んでいて、子ども達が遊びまわっていた街。 灰色は爆弾の煙。灰色の煙が瞳を覆っている。 誰かが「平和を!」と叫ぶ姿を映して、呟く。 その瞳にどんなに煙しか映らないとしても、決して濁りはしない。 夕べはひどく眠れなかった 初めて人を撃ったから 引き金の軽さが命の重さを笑ってた 震えが止まらなくてカラカラの喉雨を仰いだ 震えが止まらなくて意識をわざと断ち切った CHILDREN IN THE WAR WHO'S Sacrifice Victims Presidents CHILDREN IN THE WAR GLAYが反戦の歌を作ったらどうなるんだろう。 タクローさんが反戦の歌詞を書いたらどうなるんだろう。 そんなことを考えながら聞いていた、この歌。 でも、反戦なんて掲げるだけの、頭でっかちになりがちな言葉とは全然違って GLAYが出した『歌』はこんな歌詞だった。 夕べはひどく眠れなかった 初めて人を撃ったから そう、だよね。 人を撃った夜、眠れる子どもなんていないだろう。 どんなにそれが日常となっていても どんなにそれが必要に迫られていたとしても 銃を持ったのは、普通の子ども。 引いた引き金は軽くて、哀しいほど軽くて、『命の重さ』なんてものが、馬鹿みたいに思えた。 こんな軽く、こんな簡単に、『命の重さ』は砕け散る。 誰かを撃つという体験をした子どもに、どんなに『命の重さ』を語ったとしても 『自分の命は重い』って考えないだろうな。 引き金の軽さが、指にまとわりついて。 戦争の中の、子ども達。 SacrificeとVictimはほぼ同意語なのかな。 Presidentは「大統領」だけど、「支配者」的なニュアンスで使われたんだろうか。 誰がいけにえになる? 誰が犠牲になる? 誰が支配者? 「Please tell me truth...」 真実を教えて。 そう歌うタクローさんは、心から争いを嫌ってるんだろうと感じた。 『胸懐』の一節でも、そんなような箇所があったはず。 あなたといられる限られた時間を、争いなんかに費やしたくは無い。 この曲は、ライブで聞くから意味があるんだろう。 ライブで、あの時期に、GLAYが歌うから意味が生まれたんだろう。 「BEAUTIFUL DREAMER」のカップリングに収録された曲だけれど、 最初の予定ではカップリングは「Runaway Runaway」だったとか。 この曲のもつ意味。重さ。考え。伝えたいこと。 それはきっと、あのライブ映像を見て初めて解るものだと思う。 朝日にも爆弾にも見える照明。 青と赤のスモーク。 映りこむ十字架。 あの世界が、全て伝えたいものだった。 FLY HIGH FLY HIGH 朝日がやけにまぶしかった もうすぐ春が来る 戦場へ続くあの空 君と今見上げてる 花はどこへ行った?懐かしきあの家に戻ろう 友はどこへ行った?街がすべてが灰になった CHILDREN IN THE WAR WHO'S Sacrifice Victims Presidents CHILDREN IN THE WAR 同時期、タクローさんが出した意見広告の一節。 『 戦争はすべてを奪ってしまう。そこに理由は無い。そこに正義は無い。』 正義すら、無い。 つまりはそういうことだと、分かったような気がした。 2005.02.09 |